1.試験目的
有用微生物資材であるコフナの施用方法や施用量とホウレンソウの生育、栄養成分との関連性を調べる。
2.栽培条件
(1)施肥量
次の4試験区を設けた。尚、第3作まで試作したが、第1、2作までは化学肥料としてNPK=11:20:11Kg/10aを元肥として与え、第3作目は無肥料とした。
a.コフナMPを第1作のみ10袋/10aの割合で施用した区(元肥10区)
b.コフナMPを第1作のみ20袋/10aの割合で施用した区(元肥20区)
c.コフナ1号を作期毎に3.3袋/10aづつ施用した区(連用10区)
(3作合計で10袋/10aとなる)
d.コフナ1号を作期毎に6.6袋/10aづつ施用した区(連用20区)
(3作合計で20袋/10aとなる)
*尚、コフナMPはコフナ1号をペレット状に加工した製品
(2)栽植条件
雨よけハウス内で株間7cmうね間40cmの条播とした。
(3)播種、収穫日(作期)
第1作:5月21日から6月26日
第2作:6月29日から8月1日
第3作:8月15日から10月4日
3.供試品種
トニック
4.試験結果
全3作期を通した収量性についてみると、コフナ施用区の草丈は2〜3cmほど長く、葉数は大差ないものの重量が平均して10gほど多くなり収量が25%増加した(表1,2,3)。
又、連用区と元肥区を比較すると第3作期の重量において元肥区が優っていた。栄養分析結果ではコフナ施用区の硝酸含量が低くなる傾向がみられた(表4)。
中でも元肥20Kg区と連用10Kg区の硝酸含量が低かった。第2作の微生物数を調べたところ連用でも元肥でもコフナ施用区では微生物数が顕著に高い状態が維持されていることが分かった。このことが収量特性に反映していると考えられた(表5)。
表1 第1作の収量性(5月21日−6月26日)
草丈(cm) | 重さ(g) | 葉数(枚) | |
連用10区 | 30 | 45 | 7 |
連用20区 | 32 | 45 | 7 |
元肥10区 | 31 | 42 | 7 |
元肥20区 | 30 | 48 | 7 |
対照区 | 29 | 35 | 6 |
表2 第2作の収量性(6月29日−8月1日)
草丈(cm) | 重さ(g) | 葉数(枚) | |
連用10区 | 30 | 51 | 8 |
連用20区 | 29 | 56 | 8 |
元肥10区 | 30 | 52 | 8 |
元肥20区 | 28 | 42 | 7 |
対照区 | 28 | 46 | 8 |
表3 第3作の収量性(8月15日-10月4日)
草丈(cm) | 重さ(g) | 葉数(枚) | |
連用10区 | 27 | 51 | 8 |
連用20区 | 27 | 50 | 8 |
元肥10区 | 29 | 69 | 9 |
元肥20区 | 30 | 60 | 8 |
対照区 | 24 | 41 | 8 |
表4 各作期における硝酸値
第1作期 | 第2作期 | 第3作期 | |
連用10区 | 426 | 349 | 250 |
連用20区 | 417 | 468 | 357 |
元肥10区 | 426 | 615 | 441 |
元肥20区 | 351 | 468 | 357 |
対照区 | 483 | 522 | 374 |
表5 第2作期における微生物数の変化
収穫前(万/g) | 収穫時 | |
連用10区 | 650 | 480 |
連用20区 | 800 | 720 |
元肥10区 | 700 | 610 |
元肥20区 | 800 | 540 |
対照区 | 180 | 110 |
*調査はフランスコフナ本社
1.試験目的
有用微生物資材であるコフナの施用方法や施用量とホウレンソウの生育、栄養成分との関連性を調べる。
2.栽培条件
(1)施肥量
一作期 NPK=8.8:7.6:8.4Kg/10a 二作期と三作期 NPK=5:5:5Kg/10a
・コフナMPを一作期のみ10袋/10aの割合で施用(元肥10区)
・コフナMPを一作期のみ20袋/10aの割合で施用(元肥20区)
・コフナMPを作期ごとに3.3袋/10aずつ施用(連用10区)
・コフナMPを作期ごとに6.6袋/10aずつ施用(連用20区)
*尚今年は農家の施用実績を考慮しコフナMPのみを施用した。
(2)栽植条件
雨よけハウス内で株間7cmうね間40cmの条播とした。
(3)播種と収穫日
一作 5月17日から6月23日
二作 7月20日から8月26日
三作 9月2日から10月18日
3.供試品種
トニック
4.試験結果
3作期の硝酸値をみると、コフナの施用方法と硝酸値の間に一定の関係はみられなかった。次に作期毎に4つのコフナ施用区の平均値を対照区と比較すると一作期では施用区が74%、二作期では91%、三作期では65%といずれの作期においても硝酸態窒素含有量はコフナを施用した場合には低くなった。従ってコフナの施用効果はあったといえる。
昨年もコフナの施用による硝酸態窒素含有量の低下が認められたが、本年は昨年のような収量増加はみられなかった。
2年間のまとめ
コフナを施用することでホウレンソウ体内の硝酸態窒素量を低減できることが判明した。最も効果的な施用方法は年間三作期として作期毎に3/10袋ずつ合計10袋/10aを施用した場合に低減度が大きく、対照区に比べ平均して24%の低減であった。又、2年間の全試験区における低減度の変異幅は6%から35%の範囲であった。
第一作(5月17日−6月23日)
葉長(cm) | 重さ(g) | 葉数(枚) | 硝酸値 | |
連用10区 | 27 | 26g | 8 | 530mg/100g |
連用20区 | 26 | 25 | 8 | 575mg/100g |
元肥10区 | 28 | 28 | 8 | 500mg/100g |
元肥20区 | 25 | 25 | 9 | 510mg/100g |
対照区 | 27 | 26 | 9 | 715mg/100g |
第二作(7月20日−8月26日)
葉長(cm) | 重さ(g) | 葉数(枚) | 硝酸値 | |
連用10区 | 32 | 42 | 11 | 650 |
連用20区 | 30 | 44 | 11 | 710mg/100g |
元肥10区 | 34 | 51 | 11 | 750mg/100g |
元肥20区 | 29 | 39 | 10 | 780mg/100g |
対照区 | 32 | 47 | 11 | 790mg/100g |
第三作(9月2日−10月18日)
葉長(cm) | 重さ(g) | 葉数(枚) | 硝酸値 | |
連用10区 | 25 | 28 | 7 | 350mg/100g |
連用20区 | 23 | 25 | 6 | 285mg/100g |
元肥10区 | 23 | 20 | 6 | 410mg/100g |
元肥20区 | 22 | 22 | 6 | 205mg/100g |
対照区 | 25 | 24 | 6 | 480mg/100g |
第三作(9月2日−10月18日)
糖度(%) | ビタミンc | 乾物率(%) | |
連用10区 | 5.4 | 52.3mg/100g | 8.4 |
連用20区 | 10.5 | 67.4mg/100g | 9.0 |
元肥10区 | 9.5 | 45.7mg/100g | 8.6 |
元肥20区 | 5.6 | 68.2mg/100g | 9.6 |
対照区 | 6.4 | 53.2mg/100g | 9.0 |